5S活動の目的は、仕事の質の向上にあります。
5S活動の目的
5S活動の直接的な目的は、職場環境をより快適かつ安全なものに改善して、生産効率や製品やサービスの品質の向上につなげるものです。
5Sが徹底した職場では、ことさら安全注意を強調しなくても災害が減っていきます。
また、生産効率は向上し品質も向上していきます。
さらに、5Sそのものの成果以上に、5S活動を通して作業者の考え方の行動・習慣が変化し、仕事がよく見えるようになり、仕事の質を向上することが目的になります。
5S活動のポイントは、従事者が職場の「整理」「整頓」「清掃」の重要性を認識するとともに、これらを継続的に実行・維持し、習慣としていくことにあります。
従事者一人ひとりが5Sを実践し、自主的に維持できるようになることで、高い仕事の質を実現できるのです。
5S活動の意味
「整理」「整頓」「清掃」をすすめることで、職場環境を明確に把握できるようになります。
「整理」「整頓」「清掃」が進んだ職場では、問題点が自ずと顕在化していきます。
顕在化した問題点を解消していくことで、職場の安全性が向上しますし、不具合を未然に防止したり能率の向上につなげたり、生産性を一層高めていくことができます。
また、「清潔」「躾(習慣)」を継続することで、改善した職場環境を維持していくことができます。
さらに、5Sが習慣化した職場では、従事者一人ひとりが積極的に仕事に取り組むようになっているでしょう。
5S活動が徹底し、従事者の士気が高まった職場であれば、他の取組も容易になっています。
様々な職場改善の活動についても目的を達成できるでしょう。
逆に、5Sが維持できないような職場では、他の取組の導入は難しくなるに違いありません。
5S活動の効果
5S活動の効果には、直接的なものと間接的なものがあります。
5S活動の直接的な効果
直接的な効果としては、職場の快適性、作業効率や安全性の向上及び製品やサービスの品質の向上があります。
不必要なものや使用頻度が低いものを「整理」することで、不要品に圧迫されることがなくなり、スペースを有効に使うことができ、快適性を向上することができます。
また、「整頓」によって必要なものをいつでも手間をかけずに使えるようになり、探すことに時間を浪費することがなくなります。
使いたいものが、使いたいときに、使いたい場所で使えるようになるので、作業効率が向上します。
さらに、「清掃」によって職場がきれいになるので、危険な箇所を発見しやすくなり、改善への取り組みを進めやすくなります。
「整理」「整頓」「清掃」の結果、職場の快適性、作業効率や安全性が高まり、無駄な時間や労力を有効に使うことで製品やサービスの質を向上させていくことができるのです。
5S活動の間接的な効果
間接的な効果としては、仕事の質の向上や従事者の士気向上などがあります。
従事者全員が職場の改善・維持に努めることで、業務効率が向上するだけでなく、職場全体としての仕事の質を向上させることができます。
従事者一人ひとりが自分のこととして職場の改善に取り組むことで、職場全体を見渡すようになることもできます。
また、5S活動は一部の人間で成立するものではなく、職場の全員がやるべきことを1つずつ行動し、継続する必要があります。
その過程で従事者同士の協力と団結が起き、従事者の士気向上にもつながります。
5S活動の出発点は行動
5S活動の出発点は行動にあり、理屈の中にはありません。
現場での従事者の実践が現場の変革を進める源泉になります。
従事者の行動からはじまった職場の変革を従事者自身が体験することで、行動が職場をつくっていく事実を従事者が実感します。
この実感が職場の一体感を醸成、さらに進んだ5S活動の実践へと従事者を導いてくれるでしょう。
従業員一人ひとりの行動が職場を変え、職場が変わることで従業員一人ひとりが変わっていくのです。
5S活動の一つひとつの行動は簡単で、一見とるに足りないもののように思えるかもしれません。
しかし、その簡単な行動が積み重なり、継続されることによって、大きな変化につながるのです。